「マンネリ」は、悩みの入口でしかなかった
デイサービス、老人ホーム、公民館の体操教室、放課後等デイサービス。 毎日どこかで体操が行われています。そこで働くスタッフから、 同じ声を何度も聞いてきました。「毎回同じ体操になってしまう」 「ネタが尽きた」「盛り上げ方がわからない」。
これは"ネタ不足"の話に見えて、実はちがいます。 レクが得意な人は困っていません。 困っているのは、準備の時間がなく、人手が足りず、それでも 「今日も体操をしなければいけない」人たちでした。 必要なのは新しいネタではなく、誰が担当しても成立する仕組みのほうでした。
あえて、アナログを選びました
最新の技術に頼ることもできました。でも私が選んだのは、 あえてアナログな方法でした。
電源がいらない。テレビもスマホも使わない。カバンに入れて、 公園にも、お友達の家にも持っていける。水に濡れても、 アルコールで拭けばまた使える。床に置いて、数字を踏む。それだけ。
難しい機械が入ってくると、使える人と使えない人に分かれてしまいます。 そこで線を引きたくありませんでした。
600枚を、全国に配りました
作ってすぐ売らずに、600枚を全国の現場に配りました。 使ってもらって、どう使われるかを見たかったからです。 返ってきたのは、こちらが想定していなかった使い方ばかりでした。
車椅子で座ったまま数字を踏む。壁に貼ってタッチする。 スペイン語と英語を混ぜて3ヶ国語でステップ。視力障害のある方が、 位置を伝えるだけで正確に踏む。「これ持って花見に行きたい」。
私が決めた正解を配ったのではなく、 現場のみなさんが使い方を増やしてくれました。 だから今も、使い方は増え続けています。